本寿院 練馬区早宮2-26-11 日蓮宗 久遠山
【本壽院(本寿院=ほんじゅいん)】
環状八号線、平和台駅近くの「本寿院入口」交差点を小豆沢方面からだと左折する。すぐ左側に駐車場入口、先に山門がある。
当寺は「新編武蔵風土記稿」に「本壽院、法華宗稲付村(現赤羽西)
法真寺末、本尊三宝祖師ヲ安ス」と記載してされている。法真寺は当サイトで詳しく説明しているので、本寿院もまんざら縁がないわけではない。
当寺には全国的にも珍しい「僧形の馬頭観音石像(馬頭人身像)」がある。通常は、浮間にある馬頭観音のように仏面の三面、三目(額に縦に一目を有する)、八臂(ぴ=腕)とする像(写真下)が多い。また、「馬頭観世音」の文字だけ彫られたものも多く存在する。
当寺は久遠山本壽院といいます。日華宗のお寺で、本尊は久遠実成の本師釈迦牟尼物です。
寺伝によると、開山日宜上人が江戸時代の初期宗祖の尊像を奉じて諸国を廻り、中仙道の板橋で多くの信者の懇望に応じて一宇を建て、布教伝道に尽くしたのが当寺の起こりといわれています。
二世日秀上人は、開山の法諱(院号)に因んで寺号を「本壽院」と称え、三世日意上人の代には身延山久遠寺(山梨県・日蓮宗の総本山)から特に「久遠山」の山号が与えられました。
以来二十代約三百年の星霜を板橋(仲宿)で過ごしましたが、昭和12年中仙道の改修工事のため現在地に移転しました。
昭和47年、宗祖の降誕七百五十年記念として本堂を再建、昭和56年には宗祖の七百遠忌を紀念し客殿の新築その他の整備が行われました。
境内には報恩塔・大供養塔・記念碑等の石像物や「聖観世音菩薩青銅像」等多数あります。なかでも馬が法衣をまとって数珠を持つ僧形の馬頭観音石像は、小型ながらも全国的に珍しいもので、側面の銘文から文政6年(1823)に三河屋安次郎という人がかわいがっていた子馬の供養に建てたものと考えられます。
〇本寿院のみくじ道具(平成11年度 練馬区指定文化財)
○僧形馬頭観音(平成5年度 練馬区登録文化財)
〇本寿院の賽銭箱(平成9年度 練馬区登録文化財)
平成21年3月
練馬区教育委員会 (境内掲示板より)
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山門 |
山門脇の題目塔 |
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練馬区登録有形文化財
僧形馬頭観音像
衣を着て、数珠を持ち座している馬頭の姿は珍しい。舟形後背を有する彫像で、側面には「文政6年(1823)駄善孩子 六月廿日」「施主 三河屋安次郎」と刻まれている。
練馬区教育委員会(境内掲示板より)
通常は、浮間の馬頭観音像に見られる、忿怒相で、頭上に白馬頭を戴き、三面三目(額に縦に一目を有する)八臂が多い。ウィキペディアによれば、「経典によっては馬頭人身の像容も説かれるが、日本での造形例はほとんどない。」とあるから、この馬頭人身像は大変珍しい存在だ。
【関連事項】牛頭天王(飯能の竹寺) |
本寿院・僧形馬頭観音像(馬頭人身) |
浮間の馬頭観音像 |
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