イチリンソウ(一輪草)自生地 川口市指定文化財 川口市安行原2269−1
【一輪草自生地に立つ解説板を写す】
川口市指定天然記念物
安行原イチリンソウ自生地
平成14年3月22日指定
イチリンソウ(一輪草)は、本州・四国・九州の山裾の草地などに生育するキンポウゲ科の多年生の草本です。根茎は、細長く白色を呈しており、地中を横に這い、茎は、根茎の上部から伸びます。葉は、複葉で三方に大きく分かれ、成長の過程で放射状に2回分裂します。
花は、両生花で花弁(花びら)は退化し、表面が白色から薄紅色を呈する五片の萼(がく)が花弁状に広がっています。この萼は、毎日開閉する度に大きくなり、最大で直径5cmほどになります。また、蕊(しべ)は、複数の雄蕊と雌蕊からなっていることから多芯皮と呼ばれ、原始的な構造をしています。
通常、3月中旬に葉が伸び始め、4月中旬から下旬にかけて開花し、5月下旬には地上部分は枯れて地下茎は休眠期に入ります。
かつては県内各地に広く分布していましたが、現在はその数が減少し、「埼玉県準絶滅危惧種」に分類されています。この指定地は、県東部における数少ない自生地のひとつです。
川口市教育委員会