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若手落語家の支援と 街の活性化実現を (読売新聞、2003年9月17日 朝刊より)
住民などが地元の若手落語家に活躍の場を提供する「地域寄席」が、練馬区北町の商店街で始まり、演芸場などで開かれる常設の寄席「定席」にも劣らない人気を集めている。この地域の古くからの呼称である下練馬(しもねりま)にちなんで、その名も「下練馬(かれんま)寄席」。長引く不況の中で地域活性化を切望する商店主らと、活動の場を求める若手落語家たちの思いが一致した形だ。

地域寄席を企画したのは、北町出身の落語家、三遊亭円之助さん
(34)と同じ区立北町中学校OBの食堂経営広神勝さん(51)ら。
地元の若手落語家を応援しようと世話人会を発足させ、、ニュー北町商店街振興組合に場所の提供を打診したところ、快諾が得られ、組合会館「北町アートプラザ」を使えることになった。

この4月から毎月第3土曜日に同プラザで開かれるようになった下練馬寄席には、円之助さんや北町在住の鈴々舎風車さん(28)らが出演。毎回150人ほどの客を集めている。

円之助さんは現在、前座の上の「二つ目」。前座の時のように、生活の面倒を全面的に師匠に見てもらうことはできないうえに、不況の影響などで本業の落語ばかりか司会などの仕事も減っており、真打ちほどの出演料を取れない「二つ目」にとっては厳しい状況が続いているという。

円之助さんは、同世代の地方出身の落語家の地元に後援会が設立されるのをうらやましく思っていたが、下練馬寄席の誕生により、
「根無し草のようだった自分に強い後ろ盾が出来たようで心強い限りです」と話す。「幼なじみが経営する商店から、寄席で使う座布団が届くこともある。地元のの応援をじかに感じられるのも魅力です
ね」
落語界に入って四年目という風車さんも「人前で話す練習にもな
ります。大変ありがたい」。

一方、会場を提供している同組合も、商店街で買い物をしてポイントカードの点数が増えると寄席の入場券と交換できるようにするなど、集客に協力。村上悦栄理事長は「落語家が来てくれると、商店街全体が明るくなる。寄席がある日は夜の人通りも増え、飲食店などの売り上げ増につながっている。これからも精いっぱい協力していきたい」と話している。

今月の下練馬寄席は20日午後6時半に開演。入場料は前売り千円、当日1,200円で、円之助さんらが出演する。
問い合わせは下練馬寄席世話人会(電3559-2176)へ。



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