木造釈迦如来坐像
川口市指定有形文化財
平成15年3月20日指定
この木造釈迦如来坐像は、江戸時代の貞享4年(1687)に相模国都築群神奈川領白根村(現横浜市都筑区)知行の旗本藤川甚衛門重昌の供養のために、子息によって寄進されたものと考えられています。
檜材造りで、座高は82.6cm、膝張り68.4cmを測ります。彫眼、肉身部は金泥彩、衲衣部は錆地に黒漆で漆箔を施しています。螺髪は群青彩で、眉、髭、瞳は墨彩で描かれ、白目に白色顔料を入れ、鼻穴をかすかに抉っています。右腕は掌を正面に向け施無畏印を、左腕は膝上におき掌を上に与願印を結んでいます。
本像は、像内の材のやつれから、かって荒れた状態で放置された時期があったと推定され、数度の修理の跡が見られます。また、像内に納入口があることから像内に何か納められていた可能性が高いですが、すでに失われてしまっています。定朝様の特徴を良く受け継いだ穏和な作風を見せながらも、形式化が進んでおり、細部に写実的な表現も認められるため、平安時代末の作と考えられます。
川口市教育委員会 境内案内板より