松丸君
松丸君は3年生の時は生徒会役員で書記だと記憶しています。
生徒会会長は黒川潮君(機械科)、副会長が渡辺でした。
塚原君や輪島君などそうそうたるメンバーで企画運営しました。その行動力には、生徒会の運営が参考なると卒業後ですが全国規模で見学に来たと聞きます。その活動拠点のむさ苦しい生徒会室に松丸君が模造紙に大きく書いた詩が以下です。
島崎藤村の「初恋」です。松丸君は二十歳でこの世を去りました。はたして恋をしたのでしょうか?。渡辺は詩を今でもそらんじて言えます。

まだあげ初(そ)めし前髪の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへ(え)しは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実に
人こひ(い)初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな
林檎畑の樹(こ)の下に
おのづ(ず)からなる細道は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひ(い)たまふ(う)こそ
こひ(い)しけれ